『ジェントルメン』レビュー:鬼才ガイ・リッチー監督が再び贈るスタイリッシュな犯罪コメディ

『ジェントルメン』は、ガイ・リッチー監督が手がけた2020年のアクションコメディ映画で、彼の得意とするスタイリッシュでウィットに富んだ脚本が魅力の作品です。この記事では、あらすじ、キャスト、そして作品の補足情報や感想について紹介します。

『ジェントルメン』は、ロンドンの麻薬王ミッキー・ピアソン(マシュー・マコノヒー)が、ビジネスからの引退を考えるところから始まります。しかし、彼の決断が裏社会に波紋を呼び、多くの勢力が彼の帝国を狙い始めます。

取引を巡る駆け引きと裏切りが錯綜する中、ミッキーは自分の未来を賭けたゲームに巻き込まれていきます。果たして、彼は無事に引退を果たせるのか、それとも裏社会の罠に嵌ってしまうのか…。

ミッキー・ピアソン(演: マシュー・マコノヒー):
ロンドンでマリファナ帝国を築き上げた麻薬王。引退を考えているが、その計画が思わぬトラブルを招く。

レイモンド・スミス(演: チャーリー・ハナム):
ミッキーの右腕で、冷静沈着なビジネスマン。ミッキーを守るために様々な策略を練る。

フレッチャー(演: ヒュー・グラント):
野心的な私立探偵で、ミッキーに関する情報を使って金儲けを企む。

マシュー・バーガー(演: ジェレミー・ストロング):
ミッキーのビジネスを買収しようとするアメリカ人富豪。

ドライ・アイ(演: ヘンリー・ゴールディング):
中国系ギャングのリーダーで、ミッキーのビジネスを奪おうとするが...

ローズリンド・ピアソン(演: ミシェル・ドッカリー):
ミッキーの妻で、強い意志を持ち、彼のビジネスに深く関わっている。

この映画は、イギリスの鬼才 ガイ・リッチー監督が得意とするテンポの速いクライムコメディ。

彼の初期作品である『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』『スナッチ』のファンには、懐かしさを感じるようなスタイルです。複雑に絡み合うストーリーや多くのキャラクターが、絶妙なテンポで織り交ぜられ、最後まで観客を引き込んで離しません。

また、映画にはロンドンの裏社会や、イギリス文化特有のブラックユーモアが色濃く反映されており、スタイリッシュな映像と音楽のセンスが抜群です。リッチー監督が得意とする「裏切りと策略」のテーマが、エレガントに描かれています。

『ジェントルメン』は、ガイ・リッチー監督の独特なスタイルが全開で、観ていてとにかく楽しい映画です。ストーリーが複雑ながらも、キャラクター一人一人が鮮明に描かれており、それぞれの存在感が物語に深みを与えています。特にマシュー・マコノヒーの演技はカリスマ的で、彼が画面に登場するたびに目が離せません。

ヒュー・グラントのコミカルな演技も見どころで、フレッチャーというキャラクターを面白く、そして魅力的に仕上げています。さらに、ジェレミー・ストロングが演じる冷徹なビジネスマン、マシュー・バーガーの静かな迫力も印象的です。全体として、テンポの良い展開とウィットに富んだセリフが楽しめる、まさに「大人のクライムコメディ」という感じです。

ガイ・リッチーのファンにはもちろん、スタイリッシュでエンターテイメント性の高いクライム映画が好きな人には是非おすすめしたい作品です。